あなたの代わりに「読んで、まとめる」NotebookLMで変わる資料づくり(3/3)

AI(光る電球)がメモを読み、まとめる様子(3/3)

目次

前回記事では、NotebookLMが私たちの情報整理・分析の作業をいかに効率化してくれるか、その具体的なデモンストレーションをご覧いただきました。

>>あなたの代わりに「読んで、まとめる」NotebookLMで変わる資料づくり(2/3)

AIが大量の情報を瞬時に処理し、私たちの思考をサポートする様子は、まさに未来の働き方を予感させるものだったのではないでしょうか。

最終回となる今回は、NotebookLMをあなたのワークフローに組み込むための実践的な「活用例」を具体的にご紹介します。さらに、安全かつ効果的に利用するための「コツ」や「注意点」についても触れています。これらの情報を参考に、NotebookLMを最大限に活用し、作業の生産性を飛躍的に向上させましょう。

1.  NotebookLMの活用例

● 学習・研究・知識習得
【論文や学術文献の理解促進】
・情報ソース:複数の難解な論文や専門書、関連資料など
・AIへの指示:ブリーフィング・ドキュメント、マインドマップ

難解な内容や、情報量が膨大な場合には、ブリーフィング・ドキュメントで効率的に要点を抽出し、マインドマップで複雑な情報を視覚的に構造化することで、理解が進みやすく便利です。

【試験勉強の効率化】
・情報ソース:講義ノートや教科書
・AIへの指示:学習ガイド

資料を知識として定着させる必要がある場合には、学習ガイドで、クイズ問題(多肢選択、穴埋め、論述)や重要な用語集を生成すると効率的に学習を進めることができます。

● ビジネス
【会議議事録の要点抽出】
・情報ソース:会議議事録
・AIへの指示:チャットで「決定事項や次のアクションアイテムをまとめて」と質問

議事録を読み込ませて質問することで、重要事項を素早く把握することができます。また、GoogleMeetの文字起こし機能などの議事録作成ツールと組み合わせることで、情報ソースとする議事録の作成時間も大幅に短縮可能です。

【契約書・規約の重要事項確認】
・情報ソース:契約書や利用規約
・AIへの指示:チャットで「リスク条項や重要な変更点をまとめて」と質問

契約書や利用規約から、自分が気になる特定の要素を瞬時に特定することができます。読み解きにくいと感じた場合は、更にチャットで「小学生向けに説明して」と付け加えることで、柔らかい表現で返ってくるのでオススメです。

【社員研修資料の作成支援】
・情報ソース:社内規定や業務マニュアル
・AIへの指示:ブリーフィング・ドキュメント、学習ガイド、よくある質問(FAQ)

例えば、ブリーフィング・ドキュメントで要約した情報を、Gammaのような資料生成ツールと連携させることで、資料作成の時間を大幅に短縮できます。また、練習問題やFAQの作成には、NotebookLM内の「学習ガイド」や「よくある質問(FAQ)」が便利です。更に、あらかじめ情報ソースを登録した状態のチャットを受講者に共有することもできるため、受講者からの質問にもNotebookLMが回答できるようになり、回答対応の効率化にもつながります。

【競合分析】
・情報ソース:競合他社の公開資料(年次報告書、プレスリリースなど)
・AIへの指示:チャットで「各社の分析や予測、競合情報を比較検討して」と質問

年次報告書やプレスリリースなどの、情報量が多く、かつ複数資料が存在するものを網羅できるのもNotebookLMの強みです。「もっと詳細な財務情報を比較してほしい」といった追加の質問にも対応してくれるので、深く掘り下げた分析も簡単に行うことができます。

● 個人利用
【レシピの整理とアレンジ】
・情報ソース:お気に入りのレシピサイト
・AIへの指示:チャットで、特定のレシピの手順や、特定の食材を使ったアレンジ方法を質問

特定のレシピの手順を素早く確認したり、冷蔵庫にある特定の食材を使ったアレンジ方法を提案してもらうことも可能です。「今日の気分に合うヘルシーな和食のレシピを提案して」といった漠然とした問いかけにも対応してくれるので、献立決めにも役立ちます。

【デジタルライフログの分析】
・情報ソース:日記やメモ、写真のキャプションなど
・AIへの指示:チャットで「特定の期間の活動傾向や感情の変化を分析して」と質問

「去年の夏、どんなことに興味を持っていたかな?」といった問いかけにも応えてくれるので、自己理解を深めたり、過去を新しい視点から簡単に振り返ることができる点で、通常の日記やメモなどの記録ツールとは一線を画します。

2. 導入のコツと注意点

● 情報ソースの選び方
まずは、「質の高い資料」を選ぶことが大切です。PDFやスライドなど、情報が整理されたデータほどAIが理解しやすく、より正確な要約や回答が得られます。

但し、Googleが提供する代表的なサービスであるスプレッドシートは、そのままではアップロードできない点にご注意ください。一度PDF形式にエクスポートした上でアップロードする必要があります。

また、アップロードの際はデータ量や文字数の制限にもご留意ください。1つの情報ソースあたり、ファイルサイズが200MBを超えるものや、文字数が50万語を超えるものはアップロードできません。

● AI情報の信頼性
NotebookLMは、ユーザーがアップロードした資料を基にAIが回答を生成するため、一般的なAIチャットボットに比べて情報の根拠が明確で、信頼性が高いのが特徴です。しかし、AIが生成する情報が常に100%正しいとは限りません。特に、複雑な内容の要約や、複数の資料を横断した高度な分析、あるいは資料自体に誤情報が含まれている場合、AIの回答にも不正確な点が含まれる可能性があります。

そのため、NotebookLMで得られた情報、特に重要な意思決定に使う情報や、外部に公開する内容については、必ず元の資料と照らし合わせて最終的な確認を行うようにしてください。

● うまくいかない時は
使い始めてから「資料がうまく読み込めない」「回答が的外れ」といった問題が出ることもあります。そのような時は、まずアップロードファイルの形式や内容を見直すことがポイント。また、AIへの質問の仕方を変えてみると改善することも多いです。Googleの公式ヘルプやサポートも活用しながら、問題解決に取り組みましょう。

計3回にわたってNotebookLMについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
NotebookLMはまだまだ発展途上のツールですが、その進化のスピードは目覚ましく、今後も私たちの働き方に大きな影響を与えていくことでしょう。ぜひこの記事をきっかけに、NotebookLMを実際に体験していただければ幸いです。

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