あなたの代わりに「読んで、まとめる」NotebookLMで変わる資料づくり(1/3)

大量の資料を読み込んで要点を整理し、伝わりやすい形にまとめる――そんな面倒で時間のかかる作業を、AIがあなたの代わりにこなしてくれたら?
Googleが開発した「NotebookLM」は、読み込ませた資料をもとに、自動で要約や構成、質問への回答まで行ってくれる新しいAIツールです。
この記事では、NotebookLMの基本的な使い方から、資料作成や情報整理にどう役立つのかまで、実例を交えてわかりやすくご紹介します。
※本記事で取り扱っている「NotebookLM」の情報は、2025年6月時点の有料版に基づいています。
無料版との違いも紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
1. NotebookLMの基本機能
NotebookLMは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で使用することができます。
NotebookLMでできることは、以下の通りです。
● 資料のアップロード・読み込み
NotebookLMは非常に多様なファイル形式や情報ソースに対応しています。
【対応している情報ソースの例】
ドキュメントファイル
・PDF(.pdf)
・googleドキュメント
・Microsoft Word (.docx)
・テキストファイル (.txt)
・Markdownファイル (.md)
・Googleスライド
・Microsoft PowerPoint (.pptx)
Webコンテンツ
・WebページのURL
・YouTube動画のURL
音声ファイル
・MP3 (.mp3)
・WAV (.wav)
直接入力
・テキストを直接NotebookLMに貼り付けて追加
● ドキュメント要約
資料をアップロードすると、AIが自動的に内容を解析し、要約を生成します。要約には引用元(情報ソースの番号やページ、段落など)が明示され、メモとして保存することも可能です。
● チャット
ユーザーからの質問に対し、資料の中から適切な情報を探して回答します。回答内容にも引用元が明示されるため、ハルシネーション(AIがもっともらしい嘘をつくこと)のリスクが大幅に低減されます。
● マインドマップの生成
AIが関連する概念やキーワードを抽出し、視覚的なマインドマップを生成することができます。生成したマインドマップはpng形式の図としてダウンロードも可能です。
● 音声要約
2人のAIホスト(ナレーター)による自然な対話形式での要約音声が生成できます。また、要約音声のカスタマイズや、再生速度の変更、音声データのダウンロードも行うことができます。
● メモ
NotebookLMでは、自分の気付きをメモとして残せるだけでなく、チャットの回答をそのままメモ化することもできます。さらには、こうした履歴の蓄積だけに留まらず、さまざまなまとめ方でのメモを生成することもできます。
生成できるメモの形式は以下の通りです。
学習ガイド | クイズ、論述問題、用語集などを含む、段階的な学習補助ノートを生成 |
よくある質問(FAQ) | 想定される質問とその回答をAIが自動生成。読者の疑問に先回りして答える形式 |
ブリーフィング・ドキュメント | 資料全体の要点を簡潔にまとめた概要文書を自動作成。プレゼン前や共有用のサマリーに最適 |
タイムライン | 日付・時間・出来事・登場人物などを時系列で整理し、流れを視覚的に把握できる形式で表示 |
2. 無料版と有料版の違い
NotebookLMには無料版と有料版があり、主に利用できる機能の制限に違いがあります。
無料版 | 有料版 | |
作成できるノート数 | ユーザー 1 人あたり 100 個 | ユーザー 1 人あたり 500 個 |
アップロードできる情報ソースの数 | ノート 1 つあたり 50 個 | ノート 1 つあたり 300 個 |
音声概要 | 1 日あたり 3 回 | 1 日あたり 20 回 |
チャット | 1 日あたり 50 回 | 1 日あたり 500 回 |
なお、有料版では生成される文章の表現を細かく調整できるほか、共有オプションや分析機能もさらに強化されます。
出典:Google AI Pro の特典を利用する -Google One ヘルプ
3. 他のツールとの違い
AIチャットや要約ツールなど、情報整理やコンテンツ作成を助けるツールは他にも数多く存在します。そのような多様な選択肢の中で、「なぜ今NotebookLMが注目されているのか?」と疑問に思うかもしれません。NotebookLMが他のツールと一線を画す最大の理由は、まさに「ユーザーの手元の情報ソースに特化する」という点にあります。
NotebookLM | 一般的なAIチャット(例:ChatGPT) | 代表的な要約ツール | |
AIの参照元 | ユーザーがアップロードした特定の資料のみ | インターネット上の膨大な公開情報(リアルタイム情報含む) | AI機能なし、またはWeb検索ベースの限定的なAI機能 |
情報の信頼性 | 引用元が明確で、ハルシネーションのリスクが低い | 引用元が不明確な場合があり、ハルシネーションの可能性も | ユーザー自身の入力情報が基本 |
得意なこと | 特定のテーマの深い分析、資料に基づく知識創造、執筆支援 | 幅広い一般知識、クリエイティブな文章生成、アイデア出し | 情報の保存・整理、プロジェクト管理、自由なカスタマイズ |
NotebookLMは単なる検索や要約ツールではなく、ユーザーの知識を深め、広げる「パーソナルAIパートナー」であると言えるでしょう。
4. 画面構成
NotebookLMには様々な機能がありますが、画面構成はとてもシンプルで、初めての方でも迷わず使い始められる設計になっています。
【ノート選択画面】
この画面では、「ノート」の管理を行います。NotebookLMにおいてノートとは、メモや成果物等の保存場所を指します。
【メイン画面】
実際に使用する画面です。大きく、以下の4つのスペースに分かれています。
ソース | AIが参照する情報ソースを管理する |
チャット | AIに質問し、対話する |
Studio | AIが音声データを生成する |
メモ | メモを保存したり、AIが様々な形式の要約を行う |
5. 使用手順
概要が分かったところで、いよいよ実際に使ってみましょう。ここでは、NotebookLMを使い始めるための最もシンプルなステップをご紹介します。あなたの持つ膨大な情報がAIの力でどう生まれ変わるのか、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
● ノートの作成
「ノート選択画面」で新しいノートを作成し、タイトルを設定する
● 資料のアップロード
AIに参照させる情報ソースをアップロードする
● AIへの指示出し
読み込ませた資料について、AIに次のアクション・指示を行う
・質問
・要約の生成
・音声データやマインドマップの生成
・メモの生成
ここまで、NotebookLMの基本的な機能や特徴についてご紹介しました。NotebookLMが情報の整理・分析をサポートしてくれる頼もしいツールであることはお分かりいただけたかと思います。しかし、本当にその便利さを実感するには、実際に使ってみるのが一番です。
次回の記事では、フォリウムの「BPOソリューションサイト」を情報ソースとして読み込ませて、実際に使用した様子をご紹介します。NotebookLMがどのように情報を整理し、分析してくれるのか、ぜひ一緒に体験してみましょう!
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