広告代理店の運用業務は委託できる? 業務効率を高める5つの効果と成功事例
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目次
広告代理店が扱う業務には、マーケティング戦略の立案やクリエイティブ制作などのコア業務だけでなく、受発注処理や請求書発行、レポーティングなどのバックオフィス業務も数多く含まれます。これらの「運用業務」は、企業規模の拡大や案件数の増加に伴って業務内容も複雑化・膨大化し、人的リソースの圧迫やコスト増につながりやすい部分です。
そこで注目されているのが、広告代理店向けの運用業務委託です。受発注や請求関連などのバックオフィス業務を専門の外部パートナーにアウトソースすることで、代理店が本来の業務に集中できる環境を得やすくなります。今回の記事では、運用業務委託がなぜ重要視されるのか、そして委託によって得られる5つの効果と委託先を選定する際の注意点、さらにフォリウムが支援した実際の成功事例をご紹介します。
1. 広告代理店が抱える“見えにくい負担”と、業務委託の必要性
● 広告代理店がバックオフィス業務を委託した方がよい理由
広告代理店の業務プロセスには、「クリエイティブ制作」「メディアプランニング」「クライアントとの折衝」「レポーティング」など多岐にわたる業務が存在します。なかでも、キャンペーンの出稿やレポートの作成にかかわる事務作業は細かく、繁忙期には担当者一人ひとりの業務負荷が急増します。
◆ 案件数・取り扱い媒体の増加
Web広告やSNS広告をはじめとするデジタル媒体の多様化により、管理すべき媒体やツールが増加し、それに伴って案件数・事務処理量も増えている。
◆ クライアントの要望の多様化
広告効果を可視化するレポートの高頻度化や、精度の高い経費処理が求められる一方で、代理店に勤務する社員はコア業務に専念したいというジレンマを抱えがち。
◆ 人材確保の難しさ
人件費が高騰しており、人材確保が困難。中でも、デジタル・ITに精通した人材や、バックオフィス領域の専門スキルを有する人材の確保が厳しい状況。
こうした背景のもと、運用業務の一部または全体を外部のBPO企業へ委託する動きが進んでいます。特に受発注管理や請求書発行などのバックオフィス分野では、BPO企業は豊富なノウハウを有しており、任せたいと希望する広告代理店が増えています。
2. 運用業務の外注化で、広告代理店が得られる5つのメリット
広告代理店がオペレーション業務、あるいはバックオフィス業務を外部パートナーに委託することで得られる効果は、コスト面の改善だけではありません。専門性の活用から、業務効率化、リスク管理、さらには最新の知見の取り込みまで、委託には多くの付加価値があります。ここでは、広告運用業務をBPO企業に委託することで得られる5つの代表的な効果をご紹介します。
【メリット1. コスト削減】
運用業務を自社内で対応し続けると、担当スタッフの人件費はもちろん、システム導入や研修費などさまざまなコストが発生します。
✓ 人件費の抑制
必要な人員数をBPOパートナーでカバーできるため、繁忙期に合わせたアルバイトや派遣社員などの採用が不要となります。
✓ 間接費の削減
業務に必要なツールのライセンス費用やオフィススペースの確保など、BPOパートナーがすでに保有する環境を利用できれば、固定費を最適化し、コスト削減を図ることができます。
【メリット2. 専門性の活用】
広告運用業務には媒体特有の知識や法規制、会計処理の理解などが必要です。BPO企業はこうした専門知識を持つスタッフがそろっており、スピーディで正確な対応が期待できます。
✓ 法令遵守や各種規定への対応
広告分野における薬事法(薬機法)や景品表示法(景表法)、不動産広告に関する公正取引規約など、業種によっては遵守すべきルールがあります。BPO企業では常に最新の法規制を把握しているため、リスク管理が強化されます。
✓ 多様なツールと連携
広告運用のレポーティングシステムやアナリティクスツールなど、最新のツールに詳しいBPO企業にはさまざまなプラットフォームの利用経験があります。各代理店の運用に沿ったカスタマイズにも柔軟に対応できる場合が多いです。
【メリット3. 業務効率の向上】
専門の外部パートナーに任せることで、社内の業務プロセスを整理し、最適化できる点も大きなメリットです。
✓ コア業務への集中
クリエイティブ制作やクライアントとの折衝など、代理店の強みを活かす業務に人材と時間を集中投下できます。
✓ 納期短縮と品質向上
データ集計やレポート作成を、オペレーションの専門家が担当するため、スピードも精度も向上できます。また、検証体制が整っていることで、作業ミスのリスクが軽減されます。
【メリット4. リスク管理の強化】
社内運用では、業務が特定の担当者に偏りやすく、離職や休職による業務停滞のリスクが伴います。
✓ 人材リソースの分散
BPO企業では複数メンバーで業務を運営するため、個人依存による業務停滞のリスクが下がります。
✓ 内部統制の強化
BPO企業は品質管理体制や監査プロセスを標準で備えていることが多く、代理店側としては管理コストを抑えつつ、一定の統制とセキュリティを維持しやすくなります。
【メリット5. 最新のノウハウやシステムへのアクセス】
広告運用については、媒体やツールが日進月歩で進化しており、最新の情報や技術をキャッチアップし続けるのはなかなか容易ではありません。
✓ 常にアップデートされた知識
BPO企業は複数のクライアント企業を支援しているため、広告運用業務やバックオフィス関連の集約されたノウハウを効率的に活用することができます。
✓ システム連携の容易化
システム導入の検討時には、新しい会計ソフトやレポート自動化ツールなど、最適なシステムの選定や提案の依頼も行えることが、BPO企業に委託するメリットのひとつです。
3. 広告運用業務を委託する際に気をつけたい3つの注意点
運用業務を外部委託することのメリットをご紹介しましたが、一方でいくつかの潜在的なデメリットも存在します。ここからは主なデメリットと、それを最小化するための対策について解説します。
▶ デメリット1: コミュニケーションロスの可能性
BPO企業という外部の組織・担当者とのやり取りが増えるため、場合によっては誤解や情報伝達のミスが生じる可能性があります。
<対策方法>
✓ 定期的なミーティングの設定
週次・月次など定例でオンライン会議を行い、進捗確認や課題共有を徹底する。
✓ 情報共有ツールの活用
チャットツールやタスク管理ツールを活用し、リアルタイムで情報が共有される体制を整える。
▶ デメリット2: 自社ノウハウの蓄積不足
オペレーション業務をアウトソースし過ぎると、社内での知識が蓄積されにくくなり、将来的に業務を社内回帰したい場合に移行がスムーズに進まない場合があります。
<対策方法>
✓ 業務フローの可視化・ドキュメント化
BPO企業と協力してマニュアルや手順書を整備し、必要なタイミングで社内に共有する。
✓ 段階的な移行・内製化の計画
将来的に業務の内製化を検討している場合は、契約段階で業務移管時のプロセスを取り決めておく。
▶ デメリット3: 委託コストの想定外の増加
委託範囲を拡張するなど、追加の費用が発生すると、当初想定していた予算を超えてしまうケースがあります。
<対策方法>
✓ 契約内容の明確化
サービス範囲や作業ボリュームに対する料金体系を明確に設定し、オプション費用の条件を取り決める。
✓ KPI設定でパフォーマンスを可視化
コストが適正かどうか、作業品質と納期が基準を満たしているかなどを定期的に評価し、必要なら改善・交渉する。
4. 広告運用の現場を支える、フォリウムのアドサービス
● 株式会社フォリウムのアドサービス(広告運用業務支援)とは?
株式会社フォリウムが提供するアドサービスは、広告代理店における受発注業務・請求業務・レポート作成など、運用の根幹を支えるバックオフィス業務を、確かな専門性と品質で代行・支援するサービスです。以下のような業務プロセスを一括してサポートします。
主な対応業務
■ 発注処理(媒体社・制作会社などへの発注管理、発注書作成)
■ 広告掲載確認(進行管理・媒体掲載のチェック)
■ 請求処理(請求書の突合、経理への連携)
■ 実績データの集計・レポーティング(月次/週次など)
特徴と強み
■ 広告代理店の業務プロセスに精通した専任スタッフが対応
■ 業務の標準化・マニュアル化を行い、属人性を排除
■ 媒体特有のルールにも対応
■ クライアントごとに異なるワークフローに柔軟に対応
■ レポート作成や照合作業など、精度とスピードが求められる業務に強み
広告代理店では、クライアントや媒体ごとに異なる進行ルールやスケジュール、表記規定など、細やかな対応力が求められます。株式会社フォリウムでは、長期的に同じスタッフが対応することで、こうした業務特性や代理店独自の文化への理解が深まり、確認・連携の手間を最小限にしながら、高速かつ高精度なオペレーションを実現します。
● 株式会社フォリウムのアドサービス(広告運用業務支援)の事例
広告代理店A社様の場合
【ご相談の背景】
広告代理店A社様では、案件数の増加に伴い、広告運用に関わるバックオフィス業務の負荷が急激に増加していました。媒体数の多様化やクライアントごとの個別対応が求められる中で、下記のような課題が顕在化していました。
✓ 業務の属人化を解消したい。
✓ 内部統制の不備をなんとか改善したい。
✓ 営業部門からの直接発注行為が発生しており、ガバナンスの欠如や情報の分断、会計処理や請求突合の手間増加の要因にも。
【フォリウムの支援内容】
これらの課題に対し、フォリウムでは広告運用にかかわる各種事務処理業務を一元的に代行。以下のプロセスのように、複数の業務ステップを丁寧に標準化・運用し、安定的かつ正確な処理体制を構築しました。
まず受注業務では、発注内容を事前に確認したうえで、媒体社や制作会社への発注メールを送付し、その受領メールを確認。
入稿段階では、入稿スケジュールを管理し、入稿メールの送付と受領確認。掲載後は、掲載内容に誤りがないかを確認。
検収業務では、媒体社への検収金額確認依頼を送付し、戻ってきた金額をチェック。金額が確定した後は、POPS(社内の進行管理システム)へ原価を登録し、検収書を送付、納品書を回収。
納品後は、納品金額の確認を行い、POPSに売上を登録。あわせて納品確認書を送付・回収し、請求書の発行依頼を行う。このほか、制作業務に関しては、必要な制作オーダーの起票も対応。
【導入後の効果】
フォリウムのアドサービスを導入したことにより、まず受発注業務の完全な移管が実現しました。これにより、担当部門の負担が軽減され、発注処理の標準化が進みました。
また、従来は遅れがちだった発注期の遵守も定着し、スケジュール管理の精度が向上しました。加えて、発注時に必要とされるFMTの更新など、社内で定められた運用ルールが徹底されるようになりました。
さらに、申込書・検収書・発注書面といった帳票類の回収・管理についても体制が整い、必要な書類を確実に揃えられるようになったことで、内部統制の面でも大きな改善が見られました。
「運用業務に追われてコア業務に集中できない」「自社のリソースが限られていて新しいチャレンジができない」といった悩みをお持ちの場合は、ぜひ一度ご相談ください。運用業務委託によるメリットを最大限に活かし、広告代理店としての価値向上と事業拡大を支援いたします。
アドサービスに関するより詳しいご説明や、個別のご相談については、下記よりお問い合わせください。フォリウムの担当者が、貴社の状況に合わせてご案内いたします。