顧客満足度を高めるカスタマーセンター外注とは? メリット・リスク・選定のポイントを解説

目次
企業における「カスタマーセンター」は、顧客との重要な接点として、年々その役割と戦略的な重要性が高まっています。商品やサービスが多様化・高度化するなかで、顧客対応の品質が企業の信頼性を左右する場面も増えてきました。しかしその一方で、慢性的な人手不足やノウハウの属人化、運用負荷の増大といった課題も顕在化しています。
こうした状況を背景に注目されているのが、カスタマーセンター業務の“外注(アウトソーシング)”です。カスタマーセンター外注化のメリットやリスク、顧客満足度の向上との関係、さらにはパートナー選定のポイントまでをご紹介します。
1. カスタマーセンター外注の3大メリットとは?──コスト・専門性・柔軟性で選ばれる理由
カスタマーセンター業務を外注することは、多くの企業にとって実利があります。ここでは、特に効果の大きい「コスト削減・工数削減」「専門性の活用」「柔軟性の向上」という3つの観点から、その代表的なメリットを解説します。
●メリット1 「固定費の圧縮」と「工数削減」を同時に実現
カスタマーセンターを自社で運営する場合、オフィススペースの確保、システム導入費、スタッフの採用・研修など、多大なコストが発生します。しかし外注化によって、これらの初期投資や固定費を抑えることができます。人材の採用や育成コストだけでなく、繁閑に応じて柔軟に運営規模を調整できるため、必要以上のリソースを抱えずに済みます。
実務にかかる“工数”の削減も、外注化がもたらす価値のひとつです。たとえば、株式会社フォリウムが支援した事例では、月間約2,000件超のメール対応や調査パネルとのやり取りを含む、約450時間分の対応工数を外注化により削減。業務の属人化リスクを回避するとともに、スタッフがコア業務へと集中できる体制を構築しました。
このように、カスタマーセンター業務の外注は「コストの可視化・変動費化」だけでなく、人的リソースの有効活用や業務品質の安定化にもつながる施策です。
▶ポイント: 特定の月や季節など、時期的な問い合わせ量の変動が大きい企業ほど、外注化の恩恵を受けやすいと言えます。
●メリット2 顧客満足を支える、カスタマーセンターの“専門力”
カスタマーセンターには実に様々な問い合わせが寄せられます。対応スタッフは商品知識のみならず、高度なコミュニケーション能力やクレーム対応スキルも求められます。カスタマーセンター業務に長けたBPO企業なら、長年培ったノウハウや最新のツールを活用し、スムーズな顧客対応を実現します。結果的に、社内では得られにくい、カスタマー対応能力の高い人材を取り込むことができ、顧客満足度の向上に直結します。
●メリット3 カスタマー対応の幅を広げる、柔軟な運用体制の実現
「24時間対応を導入したいが、深夜帯の人員確保が難しい」などの課題も、アウトソーシングによって解決しやすくなります。外注先であるBPO企業が、例えば海外にも拠点を持ち、24時間365日体制を整えている場合は、短期間での運用開始も可能です。時間帯だけでなく、多言語での対応や複数チャネルでのサポートにも柔軟に対応できる点は、大きなアドバンテージとなります。
株式会社フォリウムのカスタマーセンター業務 サービス一覧
2. 外注化で変わる顧客体験──スピードと品質の両立
顧客の気持ちとしては、「早くて丁寧な対応」が理想です。カスタマーセンターの外注化によって、このような理想の対応も実現しやすくなります。
●迅速な対応で顧客満足度をアップ
顧客心理としては、「困っている」ときに最速でサポートを受けられると、その企業へのブランドイメージはかなり良くなります。外注のカスタマーセンターは、スタッフの常駐人数や問い合わせ対応フローを最適化しており、応答率と対応スピードを高い水準で維持しやすいのが特長です。問い合わせが集中するピークタイムや、緊急トラブル発生時でも、迅速な対応が可能になります。
●顧客対応を均質化し、サービス品質を向上
外注の依頼先となるBPO企業には、豊富な接客・対応経験を持つ人材がいます。マニュアルの構築や研修システムが整備されているため、顧客対応のばらつきも最小限に抑え、一定以上の品質を担保しやすいメリットがあります。さらに、問い合わせ内容の分析や顧客フィードバックの吸い上げが円滑に行われるため、自社の商品やサービスの改善サイクルも高速化します。
結果的に、これまで「問い合わせ対応=コスト要因」とされがちだったカスタマーセンター業務が、外注化することで分析力を付け、サービスや製品の改善に活かす“情報のハブ”として機能しやすくなります。
3. カスタマーセンター業務の外注化に潜む3つのリスクと、その効果的な対策とは
カスタマーセンターを外注化するメリットは大きい一方で、リスクも考えられます。ここでは、代表的な課題とそれに対する対策を解説します。また、株式会社フォリウムでは、これらのリスクを軽減するためにどのようなサポートを展開しているかも、あわせてご紹介します。
1. コミュニケーションの課題
外注先が自社の商品やサービスだけでなく、企業文化を十分に理解していない場合でも、顧客対応において誤差が生じ、顧客からの苦情につながることがあります。
【対策】
・定期的な研修: 自社の商品特徴やサービス理念を外注先スタッフへ共有。
・密な情報交換: 定例ミーティングを設定し、製品アップデートやキャンペーン情報を随時共有。
【フォリウムの支援】
株式会社フォリウムでは、専任のコンサルタントが外注先スタッフとの橋渡し役を務め、定期的な品質チェックを実施しています。これにより、外注先スタッフが自社のブランド価値や企業文化を理解し、一貫性のある顧客対応を実現します。さらに、フォリウムでは業務の可視化やマニュアル化を推進しており、顧客対応の品質を継続的に維持・改善できる体制づくりを整えています。
2. 品質管理の難しさ
外注化すると、スタッフのマネジメントや教育を自社が直接行えなくなるため、品質を保つのが難しいと感じるケースがあります。
【対策】
・KPIの設定: 1次応答率・解決率・顧客満足度(CSAT)などを可視化し、改善につなげる。
・契約段階でのSLA(サービスレベルアグリーメント)設定: 対応スピードや品質基準を契約書で具体的に明文化。
【フォリウムの支援】
株式会社フォリウムでは、業務開始前の設計段階から専門チームが伴走し、業務フローの可視化、KPIの設計、教育体制の構築まで一貫して支援します。運用開始後も定期的なモニタリングと改善提案を通じて、品質の安定化と継続的な最適化を図ります。また、スタッフの習熟度に応じた研修プログラムやマニュアル整備にも注力しており、属人化のリスクを抑えながら、誰が対応しても一定水準以上のサービス提供が可能となる仕組みを実現しています。
3. セキュリティの懸念
カスタマーセンター業務については、顧客情報・個人情報を取り扱う部門だけに、外部委託による情報漏洩リスクを不安視する声は少なくありません。
【対策】
・セキュリティ基準の明確化: ISMS認証などの取得状況を確認し、万全な管理体制を持つパートナーを選ぶ。
・情報漏洩対策ツールの導入: 画面モニタリングシステムやアクセス制限など技術的対策を徹底。
【フォリウムの支援】
株式会社フォリウムでは、コンタクトセンター業務に精通したセキュリティ専門チームが、運用フロー全体を監修。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)に準拠した管理体制のもと、リスクを最小限に抑える運用設計を行います。複数拠点によるBCP(事業継続)体制も整備しており、万一の災害・障害時にも安全かつ継続的にサービスを提供できる環境を構築しています。
4. 外注の成果を左右する、パートナー選びのポイント
カスタマーセンター業務を外注化するにあたっては、パートナーの選び方がプロジェクトの成否を左右します。ここでは、信頼できる外注先を見極めるための選定基準と、契約時に押さえておきたいポイントをご紹介します。
●選定基準
◆経験と実績
自社と類似した業種や同規模の企業を支援した事例が豊富かどうかは、一つの判断材料になります。
◆コストとサービス内容
安さだけに目を奪われると、結果的に品質低下や追加費用がかさむリスクがあります。見積もり依頼時には、対応範囲や運用体制、レポーティングの頻度などをしっかり確認しましょう。
●契約のポイント
◆SLA(サービスレベルアグリーメント)の設定
応答率や対応品質、緊急時のエスカレーションフローなど、具体的な指標を明文化することでトラブルを防止します。
◆長期的なパートナーシップの構築
外注化は一度導入すれば終わりではなく、企業の成長とともに運用体制を進化させていく必要があります。担当者間の連携やコミュニケーションルールを定期的に見直しながら、長期的な協力体制を築くことが大切です。
カスタマーセンターの外注は、コスト削減や専門性の活用、柔軟な対応体制の構築といった多くのメリットがあります。一方で、コミュニケーションのズレや品質管理、セキュリティ面のリスクも無視できません。
株式会社フォリウムでは、クライアント企業と外注先スタッフをつなぐコンサルティングから、セキュリティ対策、契約・運用設計に至るまで幅広くサポートし、円滑なカスタマーセンター運用を実現しています。自社リソースだけで運用の限界を感じている企業や、顧客対応の品質向上を課題としている企業は、一度カスタマーセンター外注を検討してみてはいかがでしょうか。
▶次のステップ: フォリウムの資料請求や無料相談をご利用いただき、実際の運用イメージを具体的に確認することで、よりスピーディかつ的確に外注化プロジェクトをスタートできます。